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茶色い皮の手袋物語

最高気温が18度の予報でコートを置いて行こうかと思うぐらい暖かい日でも、朝晩はひんやりとします。
今朝も習慣で手袋をして駅まで行ったのですが、やっぱり車内は暖かくて手袋は少し邪魔。その日は珍しくすぐに座れたので、手袋を外して膝に乗せたカバンの上に置きました。
ぼくの手袋は軟らかい革製。手の甲に3本の絞りのステッチが入ったお気に入りです。

満員の京浜東北線の車内から押し寄せて来る睡魔の魔の手は相当手強い。数駅で夢の中に引きずり込まれました。
なんとか秋葉原駅の数駅手前で気づき、朦朧としながらも乗り過ごしちゃいけないと、うつらうつらしながらも神経は駅名のアナウンスに。

無事に秋葉原駅で降りて、ふと違和感を感じました。
あ、手袋・・・。
と思った時には、電車のドアが閉まる寸前。
でも、まだ乗車しようとしているたくさんの人がいる・・・。車内はぎゅうぎゅう・・・。取りに戻る・・・?。無理・・・。
諦めてしまいました。
ドアが閉まって横浜方面へ発車しました。

ブルーな気持ちを引きずりながら、一日の仕事を終えました。
帰りの会社最寄りの原宿駅。少しの期待を胸に駅員に手袋の特徴を伝えて、遺失物の確認をしていただきました。

蒲田駅に似たような手袋が届いています。秋葉原で降りられましたか?・・・と、駅員さん。
ビンゴ!間違いありません!
逸る気持ちで蒲田駅まで。
ぼくの愛しい手袋が、蒲田駅の駅員室で、クルクルと丸められて輪ゴムで縛られて、じっと待っていました。

ごめんね。
こんなに手袋を愛しく感じたことは生まれて初めて。
ほんと良く届けてもらえたね。

誰が届けてくれたのか判りません。ですが誰かに何か恩返しがしたいな。恩返しの連鎖でぼくの手袋の恩人に届けば良いな。

こんな暖かい日に手袋をしていくと忘れるよ・・・。そう言えば誰かに言われた・・・かな。

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